大判例

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東京高等裁判所 昭和24(を)新1046 高裁判例

主 文

原判決を破棄する。

本件を水戸地方裁判所下妻支部に差戻す。

理 由

本件控訴の趣意は末尾に添附してある弁護人宗宮信次作成名義控訴趣意書と題す

る書面記載の通りである。

これに対し当裁判所は左の如く判断する。

論旨第一点について。

<要旨>原判決の証拠説明によると所論の通り「検察官のA、B、CD</要旨>D、

E、F等に対する各供述調書と被告人に対する検察官の供述調書を引用しているが

記録によると右A以下六名及び被告人に対する検察事務官の供述調書はあるが検祭

官の供述調書というものはない。なお原審の公判調書によると検察官は右A以下六

名の検察官に対する供述調書を提出し裁判所はその証拠調をしたことになつてい

る。右はいづれも検察事務官の供述調書とすべきを検察官の供述調書と誤記したも

のであるが右は単に誤記として看過する訳にゆかない。蓋し右誤記が検察事務官の

供述調書を検察官の供述調書と誤記したことに基くものとずればそれは刑事訴訟法

第三二一条第一項第二号と第三号に明らかな如く証拠力の乏しい証拠を証拠力の高

い証拠と誤認引用したことになり若しその誤認がなかつたら或は引用しなかつたか

も知れぬということがいい得るので判決に影響なしと断ずることはできない。故に

原判決は正しい証拠理由を附せなかつたことになりこの点において破棄を免れな

い、論旨は理由がある。

(その他の判決理由は省略する。)

(裁判長判事 吉田常次郎 判事 保持道信 判事 鈴木勇)

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